---P4 <よるダイバー>  男女共同参画や障がい、文化的多様性、セクシュアル・マイノリティなどについて、ミニ講義やディスカッションなどで学びあうダイバーシティ推進室おなじみの『よるダイバー』。後期も対面とオンラインのハイブリッドで開催しました。前期から引き続き参加する方、はじめましての方、久しぶりの卒業生など、今期も多彩な参加者が、時にまじめに、時にわいわいと、ダイバーシティについて学び、語る場となりました。元支援スタッフの卒業生が自身の就業経験を語る回もあり、参加者にとって、ダイバーシティがさらに身近なテーマとして感じられたのではないでしょうか。  参加者からは、『自身の研究内容に沿った内容で、大変興味深く学ばせてもらえました』『参加者相互の意見交換はとても良いと思います。お互いの認識の違いに気が付くことも大切なことだと感じます』など、前向きな感想をいただきました。『金曜の18時はよるダイバー」が定着するように、引き続き取り組んでいきたいと思います。(藤山) 『よるダイバー2023・後期 コンテンツ』 10月 13日 『よるダイバー』のめざすもの/講師:益子徹 10月 20日 障がいを知る(概念整理)/講師:益子徹 10月 27日 甲子園からジェンダーを考える/講師:藤山新 11月 10日 障がいを読む(事例検討)/講師:都立大OB 11月 17日 文化の多様性とジェンダー平等を考える/講師:藤山新 12月 1日 障がいを理解する「包摂しない」というスイッチが招くもの/講師:益子徹 12月 8日 セクシュアル・マイノリティをめぐるあれこれ/講師:藤山新 12月 15日 まとめ~あなたが考えた、ダイバーシティってなんだろう?/講師:益子徹  ☆画像=告知ポスター☆ <東京都立大学一時保育施設『都立大KIDS』>  本学では、教員、職員、学生が利用できる一時保育施設『都立大KIDS』を南大沢キャンパス近くで運営しています。  こじんまりとした施設ですが、そのぶん先生方の目が十分に届く、アットホームな雰囲気が特徴です。季節に合わせた制作やイベントの実施など、先生方の工夫で毎日を楽しく過ごすことができます。10月はハロウィンにあわせて、仮装した子どもたちが大学へやってきてくれました。心地よい日差しの中、学長室、ダイバーシティ推進室の職員や支援スタッフの学生との交流を楽しんでくれたようです。  都立大KIDSでは、体験保育や施設見学を随時行っています。 教員、職員、学生のどなたでもご利用いただけますので、気になったらまずはダイバーシティ推進室か学長室のダイバーシティ担当までお問い合わせください。(藤山) ☆写真①=大学広場の芝生で記念撮影☆ キャプション※ハロウィンの仮装で遊びに来てくれた子ども達 ☆写真②=お菓子と折り紙を受け取る園児たち☆  コラム <ダイバーシティ・ブックレビュー>(学長室:堀内牧子) 野田サトル作 『ゴールデンカムイ』  集英社  私がご紹介するのは、野田サトル作の『ゴールデンカムイ』(全31巻)です。舞台は明治末期の北海道・樺太。日露戦争から帰還した元軍人の杉本佐一とアイヌの少女・アシリパが主人公で、二人が北海道のどこかに隠された金塊を探す旅を行うという内容です。単なる歴史・冒険漫画では終わらず、注目すべきはアイヌの文化を非常に丁寧に描いているという点です。アイヌの人々が当時どのような暮らしを行っていたのか、自然や生き物との関わり方、特にヒグマを『キムンカムイ』(アイヌ語で『山の神』)と呼び、特別な存在として扱っていたことに惹かれました。アイヌでは、自然界だけでなく身の回りのすべてのものに魂が宿ると考えられていること、決して必要分以上の狩りを行わないこと、自然に寄り添い自然と共に生活する。それは現代の私たちが忘れかけていることなのではないでしょうか。私はこの漫画を読んでアイヌに興味を持ち、熊、特にヒグマの生態について調べ、また実際にアイヌの人々が暮らした痕跡などに触れてみたいと思い、北海道を訪れた際に『川村カ子ト(かねと)アイヌ記念館』(旭川市/日本最古で唯一の私設アイヌ資料館)へ足を運びました。資料館の展示物は『ゴールデンカムイ』の漫画の世界そのままで、改めてこの作品は、細かい描写と丁寧な取材によって成り立っているのだと感激しました。いつの日か、北海道白老町にある『ウポポイ(民族共生象徴空間)』へも訪れたいと思っています。  この『ゴールデンカムイ』をきっかけに、みなさんもアイヌに興味を持ち、本学のダイバーシティ基本方針の3本柱の一つである『多様性を踏まえた構成員支援」について考える機会を持ちませんか。 ☆写真①=漫画単行本の表紙☆ ☆写真①=川村カ子ト(かねと)アイヌ記念館の外観☆   <編集後記> ブックレビューで堀内係長よりアイヌ資料館の紹介がありましたが、個人的に大阪万博公園内にある国立民族博物館もおすすめです。資料の豊富さに加えて展示のしかたが素晴らしく、世界各地の民族的始まりと、影響し合いながら多様に発展する様子が俯瞰目線で見られるだけでなく、楽器などにフォーカスした身近な展示等もあり、いつまでも飽きることがありません。世界の中の、アジアの中の、日本が見えてきます。(兼子)   <編集・発行> 東京都立大学 ダイバーシティ推進室 〒192-0397東京都八王子市南大沢1-1 図書館本館1階 電話:042-677-1337(直通)/内線2571 E-Mail:diverwww@tmu.ac.jp URL:https://diversity.fpark.tmu.ac.jp/ 発行日:2023年12月26日 ☆二次元コード=ダイバーシティ推進室HP☆