---P3 <交流プログラム(社会科見学・フィールドワーク)>  今年度は5月の高尾山遠足をはじめ、様々な体験を学生支援スタッフと行いました。今回はその中でも、発達障がいのある生徒を中心としたさくらんぼ教室(三鷹教室)への見学と江の島にて行った車いす体験について報告します。  さくらんぼ教室は、1月のバリアフリー講習会に講師としてもご登壇いただく濱野先生がご勤務されている株式会社Glow-Sが運営する学習塾です。発達障がいのある大学生も全国的に増加傾向にある中で、本学においてもその傾向は同様であり、今回学生支援スタッフと共に見学をさせていただきました。学生支援スタッフからはSST(Social Skill Training)を生徒たちが行う様子を見て、『多くの人がいつの間にかできるようになっていることを丁寧に取り組んでみる』という視点の大切さについて感想が寄せられました。  次に、江の島のフィールドワークでは、車いすを学外で扱うことが無い学生支援スタッフたちと共に、バリアフリーのチェックや試乗を行いました。当日は稲田堤駅で集合し、車いす2台を交代で押したり乗ったりしつつ、公共交通機関を移動するところから行いました。最初はハラハラしながらも、充実した1日を過ごした彼らはきっと、これらの体験を通し、道端で車いすを押している人が困っている様子があったときに、どのようにフォローしたらいいのか、といったことや、車いすユーザーの方と外出をすることへの戸惑い意識の低減に繋げられる機会となったのではないかと思います。  これからも当室では、学生支援スタッフと共に、多様な人々の生活の中の困りごとについて共に体験し、解決方法を考えることでどのようにしたら多様な人たちを包摂した社会の実現ができるのかについて共に考えていきたいと思います。ご関心のある方がいれば是非ご参加されてみませんか?(益子)  ☆写真①=車いすで電車に乗り込む様子☆ ☆写真②=駅構内にて車いすを誘導☆ ☆写真③=江の島の海をバックに記念撮影☆ <部局出前説明会(都市環境学部)>  ダイバーシティ推進室の活動や、学生対応のポイントなどを教員の皆様にご案内する部局出前説明会を、都市環境学部で行いました。  当日は教授会の後にお時間をいただき、およそ60名の先生方に参加していただきました。セクシュアル・マイノリティの学生への対応と、障がいのある学生への支援や対応について、それぞれ担当の特任研究員から説明を行ったうえで、質疑応答を行いました。  ダイバーシティ推進室の存在やその取組については、まだまだ十分に周知が行き渡っているとは言えない状況にあります。  本学のさらなるダイバーシティ&インクルージョン推進のためにも、今後もこうした機会を積極的に作り、学内での周知に取り組んでいきたいと考えています。(藤山) <手話講習会【初級・中級】>  今年度も手話講習会については初級編(前期)と中級編(後期)に分けて開講しました。参加者はいずれも学部の1年生から大学4年生、教員など多岐に渡りました。初級では、講習中には、指文字や挨拶などの手話表現に始まり、趣味や出身地の話などを練習しました。中級では初級から継続して受講する学生も多く、日常会話の場面に則した会話の練習をしました。  参加者からは「ずっとやりたいと思っていた手話をとてもアットホームな雰囲気で楽しく学べました。ありがとうございました。」といった感想や、「手話を使う場面は日常生活の中であまり多く感じないが、実際に手話を使って言いたいことが伝わったり、相手の話が理解できたりしたら嬉しいと感じた。直接日常生活で困っていることや大変なことも聞けたので、できることがあれば手話をはじめ、様々なことで力になりたいと思った。」といった感想もありました。今後ともこれらの活動を継続することで、学内の言葉のバリアを取り除けるように努めていきたいと思います。(益子) ☆写真①=手話講習会の様子☆ ☆写真②=講師の是枝行子氏☆ コラム<ダイバーシティとスポーツ~多文化運動会~>  福岡県の北西部、福岡市のほど近くに、古賀市という人口6万人ほどの市があります。2023年  月、福岡県古賀市で『つながる! 多文化ミニ運動会』というイベントが行われました。これは、古賀市が外国籍市民向けに実施している交流型日本語教室のスタッフの発案で、身体を動かしながら交流することで相互のコミュニケーションを図ろうと、2022年から始まったそうです。今回は、外国籍の人から教わる機会をつくることで、外国籍市民は『お客さん』ではなく『地域で共に暮らす仲間』であることを感じてもらおうと、学習者の母国であるベトナムのスポーツ、ダーカウを取り入れての開催となりました。  『多文化の共生』ということがしばしば言われます。グローバリゼーションの進展に呼応するかのように、日本各地においても外国籍の住民が大幅に増えています。 しかし、文化や風習が違えば、日常生活のルールも異なってくるため、地域住民とのすれ違いやトラブルなども生じていることが、しばしばメディアなどで伝えられます。多文化が共生するには最低限、共通したルールが必要と言えます。  そう考えた時に、スポーツはまさしく共通のルールに従って、共通の目的に向かって協力する営みと言うことができます。スポーツを通じた、外国籍の市民とのコミュニケーションの体験は、その後の日常生活に必要な関係作りにも、プラスに作用する可能性があるのではないでしょうか。そうした意味で、スポーツは多文化の共生を進めるきっかけとなる、一つの有効なツールとしての価値を持つのかもしれません。(藤山)