---P2 <学内における緊急時の障がいのある人への対応について>  昨年度のダイバーシティウィークでは、近年の様々な災害を踏まえ、ダイバーシティ×防災を1つのテーマとして、様々な企画を行いました。そこでは、講師の方々から災害時の避難に関する様々な知見が得られるだけでなく、学内の防災に応用するために必要な学内での防災意識の喚起を図ることができました。これらの知見などを踏まえ、この度当室では、緊急時の対応について簡潔にまとめたマニュアルを発行しました。  このマニュアルは、障がいのある人と共に災害時に避難をする際にどのように互いが配慮をし合うのか、といったことについてまとめたものです。障がいのある人と関わったことがない人が大多数の中で、「どのような配慮をしたら良いのかわからない」「何か手伝うといっても、専門的な知識が必要なのではないか」といった不安を持つ人は多く、また、障がいのある人達も「どのように配慮依頼をしたらよいのかわからない」といった人は少なくありません。そういった中で、このマニュアルでは”誰でもできる配慮”を中心にまとめており、一方向的な支援をする/される、だけでなく、共に逃げるためにどうしたらよいのか、といったことを中心にまとめることで、互いの配慮についてのためらいの意識を低減することを目指しています。  実際に発災した際には誰もが避難者であり、それは学内外の支援者/各教職員も同様です。そのような時に、どのようにしたら多様性のある構成員が助け合えるのか。これを読んで是非、皆さん一緒に考えてみませんか?(益子) ☆画像☆マニュアル表紙 <日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan) 第19回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム>  2023年11月5日、今年度も日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)のシンポジウムにて学生支援スタッフと共に実践事例の報告をしました。今年は数年ぶりに対面での開催であり、10大学が参加しました。  今回の発表に向けて準備したものの中には、支援を行う上での理念をMVV(Mission,Vision,Value)の形でまとめたものがありました。報告に向けたまとめの作業の際には、約10名の学生たちが自分たちのダイバーシティ推進室についてのイメージや大事にしている活動などについて熱心に遅くまで議論する姿がありました。「私の思うダイバー室の印象は○○じゃなくて△△という言葉のほうがしっくりくる」「やっぱり□□を大事にして活動をしていきたい」という思いと共に紡がれた言葉は、次年度以降の学生支援スタッフにもしっかり引き継がれていく理念を表したものとなったと思われます。  これからも学内外での事例報告等を繰り返す中で、当室の魅力を発信すると共に、支援の質の向上につなげていきたいと思います。(益子) ☆写真=発表ブースの前で記念撮影☆ <寄稿『青鳩祭(荒川キャンパス) の参加報告』>  青鳩祭では、日々の活動紹介やろう者が日常生活で使う手話などについて理解を深められるような企画を行いました。特に、手話表現などのクイズなどを行った「手話講習会」や、実際に車いすに乗ってキャンパス内のバリアを体験する「バリフリ探検隊」は、多くの方に参加していただけて、とてもやりがいを感じました。  より多くの方に多様性のある社会を身近に感じていただきたい、という思いで企画していましたが、同時に自分自身がダイバーシティの推進のために何ができるのかを改めて考える機会にもなりました。例えば、知的障がいのある方にも企画を楽しんでいただくために、資料や企画の進行を工夫してみるなど、誰もが過ごしやすい空間を作るために、他のスタッフと一緒に考えて試行錯誤できた時間はとても充実していたなと思います。  普段の支援活動ではあまり出会えない方々との交流もたくさんできて、とても楽しい思い出になりました! 学生支援スタッフ 人文社会学部 人間社会学科2年 内野 有彩 ☆写真①=本人写真☆ ☆写真②=青鳩祭『バリフリ探検隊』活動中の様子☆  <『ふわふわ』を『かたち』にするために>  誰もが生きる喜びを実感しながら、共に暮らし、尊重しあえる社会であってほしい。バリアフリーチェックや言葉の地図の作成、手話講習会の活動は、この社会が変わりうる具体的な方法を私に教えてくれています。  これまで、冒頭のような社会の姿を共有すると、『ふわふわしてる』『そんなきれいごと言われても…』という反応を受け取ることが多くありました。はじめは、『思い描くことをしなければ、動き始めることはできないのに』としか思えませんでした。 しかしある時から、至らない自分、現実に即して具体的に説明することができない自分の存在を感じるようになりました。実際は、私の中でも『ふわふわ』としか捉えられていないのかもしれないと。  『ふわふわ』を『かたち』にするために、『今』『ここ』で『私』には何ができるのか。日々ダイバーシティ推進室での活動に取り組み、一つひとつの活動が確実にそこにある『かたち』であるということを実感しています。思い描く社会を現実のものにするために、模索をしながらも、その状態に甘えることなく、今後もできることを丁寧に積み重ねていきたいです。 学生支援スタッフ 健康福祉学部 作業療法学科1年 岡野 彩 ☆本人写真☆